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Brazhkin, V. V.*; 片山 芳則; 稲村 泰弘; Kondrin, M. V.*; Lyapin, A. G.*; Popova, S. V.*; Voloshin, R. N.*
JETP Letters, 78(6), p.393 - 397, 2003/06
被引用回数:31 パーセンタイル:77.98(Physics, Multidisciplinary)結晶,液体,ガラス状BOのX線回折その場実験と回収実験による構造研究を9GPa, 1700Kまでの範囲で行い、平衡及び非平衡相図を得た。特に、融解曲線,結晶BOI及びBOIIの安定領域,液体BOにおいて約7GPa付近で起きる高密度相への一次相転移的な急激な変化を含む液体やガラス状態の高密度化や結晶化など相変態が起きる領域を決定した。回収実験からは、ボロンの量が少ない非化学量論的な液体では、高密度液体への相変態が低い圧力で起きる可能性が示された。BOは、ガラス形成物質として、構造不規則系における構造変態が液体とガラスの両方の状態で初めて調べられた例となった。
小原 真司*; 鈴谷 賢太郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 199, p.23 - 28, 2003/01
被引用回数:34 パーセンタイル:88.64(Instruments & Instrumentation)第三世代放射光施設における高エネルギーX線回折は、液体やアモルファス固体,ガラスなどのランダム系物質の構造解析に大きな進歩をもたらした。特に、X線の波長が短いため、高い散乱ベクトルQまで測定できるので、実空間分解能が飛躍的に向上した。また、X線の強度と透過能が高いため、少量の試料を透過法で測定できるので、高温高圧下での測定も比較的容易である。したがって、これまで(パルス)中性子回折によって調べられてきたランダム系物質のデータとの直接比較が可能である。われわれは、SPring-8において、ランダム系物質専用の高エネルギーX線回折計を建設し、いくつかの酸化物ガラス(SiO及びGeOガラス)の中距離構造を明らかにした。特に、高エネルギーX線回折とパルス中性子回折の両データに、逆モンテカルロシミュレーションを適用し、中距離構造を含むガラスの大きな構造モデルの構築に成功した。これらの高エネルギーX線回折を中心とした、ランダム系物質の短・中距離構造の精密な構造解析法は、高温下でのランダム系物質の構造変化を調べる研究などにも適用され、SiOガラスは1000の高温下でも短距離構造は変化せず、わずかに平均的な中距離構造に変化が現れるだけであることが明らかになった。